ついに、Alfa GT が生産中止になってしまったそうです。ブレラが発売された後も、よく生き残ったなぁと感慨深いです。
本当はFIATグランデプントを見に行ったはずなのに、憧れだった Alfa GT を買ってしまったのが3年前。リーマンショックの影響もあり、わずか1年半で手放してしまいましたが、実に美しい車でした。エクステリアのデザインも、インテリアの質感も、これがイタリア車なんだという出来映えで、ドイツ車とも全く異なる世界観が漂っていました。エンジンはどちらかというと非力な部類でしたが、演出が上手で、エンジンを回すと、管楽器のようなとても官能的ないい音がし、これまたイタリア車という感じでした。ま、しょーもないところが壊れるのも、イタリア車らしかったですが。
一方、今思えば、一世代前の価値観、もしくは、20世紀の価値観の集大成と言ってもいい車だったのかも知れません。技術的には、直噴エンジンとセレスピード(2ペダルMT)という21世紀の流行は取り入れていましたが、妻アスカの当時の愛車 VW Polo に乗った時、低回転でどんどんシフトアップしていく低燃費指向に驚き、エンジンを回して喜ぶ時代は終わったのだと痛感させられました。そして、試乗でちょい乗りした Audi A3 Sportsback の直噴ターボとSトロニック(DCT)の組合せが生み出す滑らかな走りは、驚愕としか言いようがなく、試乗の帰りに乗った Alfa GT の古臭い走りに愕然としたものでした。プリウスの電気自動車っぽさが日常になってしまった今は、エンジンをかけないと走れないPoloやA3に、古臭さを感じることでしょう。
Alfa GT の生産中止のニュースは、僕にとっては、ひとつの時代が終わった象徴でした。
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